OH-F(オーエフ)コート
オーエフコートとは
オーエフコートとはプラズマ照射により基材の活性化を行い、活性化した基材とフッ素系シランカップリング剤のシロキサン結合により基材と強固に結合し、 撥水・撥油・非粘着性を兼ね備えた密着性の高い被膜です。膜厚は数ナノメートルと大変薄く、従来のフッ素樹脂コーティングの欠点であった耐摩擦性の向上、厚膜で利用し難かった刃物、 精密金型・ゴム金型への離型効果等々、次世代の撥水・撥油・非粘着コートとして応用分野が広がっています。
オーエフコート標準タイプ
優れた非粘着性があり、溶融樹脂、接着剤の付着を抑制する効果があります。膜厚は6〜7ナノメートルと非常に薄いのが特徴です。 耐熱温度は200℃で撥水角は116°有機溶剤にはとけません。処理温度は60℃以下で熱変形の心配がありません。実績としては、刃先の鋭利なスリッターナイフやカッター類、 フィルムの打ち抜きパンチ・ダイ、樹脂金型、ゴム金型、粉末成型金型、食品関連の付着防止等にあります。
ウェットバリア(旧 オーエフコート TypeS)
耐熱撥水・撥油の特徴と非粘着性を有する被膜となります。熱分解Tdは、300℃以上で従来のフッ素コートの概念を打ち破りました。 撥水角は115°、膜厚は0.5ミクロンと大変薄く寸法精度の厳しい対象商品でも安心です。処理温度は80℃で熱変形や、焼き鈍りの心配がありません。 これまでフッ素樹脂コートで満足できなかった温度領域での使用や膜厚が厚かったために使用できなかった部材へのコーティングが可能となりました。
膜の特性
膜 種 | 撥水角 | 耐熱温度 | 膜厚 | 耐摩耗性 | 耐食性 | 熱伝導性 |
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オーエフコート標準 | 116° | 200℃ | 6〜7ナノ | ◯ | △ | ◯ |
ウェットバリア | 115° | 300℃ | 0.5μm | ◯ | △ | ◯ |
フッ素樹脂コート | 114〜120° | 200℃ | 20〜30μm | △ | ◯ | △ |
超親水コート
接触角2°の超親水コーティングです。ガラス、金属、プラスチックの親水処理ができます。 セルフクリーニング機能を有しており汚れやホコリがつきにくく、たとえ汚れが付着しても水で簡単に除去できます。 また、防曇性能も示すためサングラスやゴーグル、浴室ミラーにも応用できます。
接触角 | 鉛筆硬度(750g) | 密着性 | 耐スチールウール | |
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超親水被膜 | 2° | 9H以上(ガラス) | 100/100 | 傷なし |
静電防止コート
ポリシロキサン骨格(-Si-O-Si-)を持ちその中に存在するOH基及び空気中の水分の働きで静電気発生を防止します。
また、その他の使い方として、低分子溶出防止膜、透過率向上目的やプライマー膜として利用できます。
接触角 | 表面抵抗値(Ω) | 粘度(mPa・25℃) | セロテープ剥離 | |
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静電防止コート | 22.7° | 4.6×109 | 2.5 | なし |